留学を成功させるためには、明確な目的を持つことがとても大切です。
なんとなく、海外に行ってみたい、英語を話せるようになりたいという漠然とした思いだけで留学をしても、充実した留学生活を送ることは難しいでしょう。
留学前に自分のやりたいことをしっかりと定め、それに向かって努力することが、留学を有意義なものにするためのカギとなります。
また、留学の目的を明確にすることは、留学先の選択や期間の決定、費用の見積もりなど、留学計画を立てる上でも非常に重要な要素となるのです。
せっかく多くの時間とお金を投じて留学をするのですから、しっかりと目的を持って臨み、自分の人生を豊かにする経験にしたいものですね。
本記事では、なぜ留学の目的を明確にすることが大切なのか、その理由について詳しく解説します。
また、主な留学の目的や、目的の立て方のポイント、目的を持たずに留学して失敗した例なども併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
留学目的を明確にすることの重要性
留学は人生への「投資」
留学とは、将来に向けて自分の力を高めるための**「投資」**だと考えることができます。
お金をかけて語学力を磨いたり、新しい知識を得たりすることは、将来の自分の可能性を広げる重要な活動です。
しかし、目的もなくただ海外に滞在するだけでは、せっかくの投資が無駄になってしまう可能性が高いでしょう。
充実した留学生活を送り、自分の成長に繋げるためには、「なぜ留学をするのか」「留学で何を学びたいのか」という目的をしっかりと持つことが不可欠です。
明確な目的があれば、限られた留学期間を有効に活用することができ、将来に役立つスキルや経験を積むことができるはずです。
「海外に飛び出した」だけでは評価されない
「海外に飛び出したこと自体が評価される」という時代は、もう過去のものとなりつつあります。
グローバル化が進み、多くの人が留学を経験する現代においては、ただ留学をしたというだけでは、高い評価を得ることは難しいでしょう。
大切なのは、留学先で何を学び、どのような成長を遂げたのかを明確に示すことです。
そのためには、留学前から**「留学では何を学ぶのか」「留学経験を将来にどう活かすのか」といった目的を持つことが重要**となります。
「海外に行ってきました」で終わるのではなく、留学で得たものを将来のキャリアに活かす意欲を示すことが、留学経験者に求められているのです。
留学目的を提出する場面と上手く書くポイント
留学目的を書く際のポイント
留学の申し込み時や、ビザ取得の際などに、留学目的を提出する必要がある場合があります。
目的をうまく伝えられるかどうかは、留学の合否に大きく関わると言っても過言ではありません。
留学目的を書く際は、以下のようなポイントを押さえておくとよいでしょう。
- 留学動機を明確にし、具体的に記述する
- 留学先を選んだ理由と、その国・学校でどのように学びを深めたいのかを説明する
- 留学後の目標についても触れ、留学が将来の自分にどのように役立つと考えているのかを伝える
- 学習意欲の高さが伝わるよう、熱意を込めて書く
特に、「なぜ留学をするのか」「留学先でどんなことを学びたいのか」という2点を明確に伝えることが重要です。
また、いくら内容が素晴らしくても、誤字脱字が多いと、留学への意欲が本気ではないのではないかと疑われてしまうこともあります。
提出前によく推敲し、第三者にも確認してもらうなど、言葉遣いや構成にも気を配るようにしましょう。
留学目的の例文
留学目的の例文をいくつかご紹介します。
<英語力向上を目的とした留学の例>
私の留学目的は、英語力を向上させることです。 将来は海外での勤務を希望しているため、ビジネスの場で通用する高い英語力を身につけたいと考えています。 貴校のカリキュラムには、プレゼンテーションやディベートの授業も多く含まれており、実践的な英語力を集中的に学ぶことができると感じました。 留学を通して、言語だけでなく異文化理解の面でも成長を遂げ、グローバルに活躍できる人材になりたいと思っています。
<専門知識習得を目的とした留学の例>
私が留学を希望する理由は、日本では学ぶ機会の少ない○○分野の知識を深めるためです。 貴校は○○分野の研究で世界的に有名であり、第一線で活躍する教授による充実した講義が受けられると伺いました。 特に、○○教授の△△に関する研究は、私の学びたい分野と合致しています。 教授の下でじっくりと研究に取り組み、将来は日本でこの分野の第一人者となって活躍したいと考えています。
このように、「なぜ」「何を」学びたいのかを具体的に記述することで、留学目的に対する本気度が伝わりやすくなります。
また、留学後のビジョンについて触れることで「留学が自分の将来にどのように役立つのか」まで考えられていることを示すことができるでしょう。
留学の主な目的
留学の目的は人それぞれ異なりますが、主なものとしては以下のようなものが挙げられます。
語学留学
語学留学は、もっともポピュラーな留学のスタイルと言えるでしょう。
英語圏の国に滞在し、語学学校に通いながら英語力の向上を目指すことが目的です。
日本での生活では得られない英語漬けの環境に身を置くことで、短期間で集中的に語学力を伸ばすことができます。
一般的な語学留学の期間は、2週間~1年程度が多いようです。
期間が短めの場合は、日常会話レベルの英語力アップがメインの目的となるでしょう。
長期になると、仕事やビジネスで使える実践的な英語力の習得を目指すケースも多くなります。
大学留学(正規留学、交換留学、認定留学など)
大学留学は、海外の大学に正規生として入学し、学位取得を目指す留学スタイルです。
正規留学の他、交換留学や認定留学など、さまざまな形態があります。
大学留学の目的は、単に語学力を身につけるだけでなく、専門分野の知識を深めることにあります。
日本とは異なる教育環境の中で学ぶことで、これまでにない視点や発想を得られることも大きな魅力と言えるでしょう。
また、留学先で現地の学生と交流することで、国際的な人脈を築くこともできます。
将来、グローバルに活躍したいと考えている人にとって、大学留学は非常に有意義な経験となるはずです。
専門留学
専門留学は、特定の分野に特化した学校に通い、専門知識やスキルを習得することを目的とした留学です。
語学留学や大学留学と比べると、まだ一般的とは言えませんが、近年注目が集まっている留学スタイルだと言えます。
料理や美容、ファッション、デザインなど、各分野の第一線で活躍するプロから直接指導を受けられることが、専門留学の大きな魅力です。
本場の最新の技術やトレンドに触れることができるので、日本では得難い高度な専門性を身につけることができるでしょう。
また、すでに専門分野が決まっている人にとっては、留学先で得た知識やスキルを将来のキャリアに直結させやすいというメリットもあります。
ワーキングホリデー
ワーキングホリデーは、海外に長期滞在しながら、現地で仕事をすることが認められている制度です。
通常、観光ビザでは働くことはできませんが、ワーキングホリデービザを取得すれば、滞在費用を稼ぎながら留学生活を送ることができます。
ワーキングホリデーの目的は人それぞれですが、語学力アップはもちろん、海外での就業経験を積むことが大きな目的だと言えるでしょう。
実際に仕事をする中でビジネス英語や専門用語を学ぶことができますし、異文化の中で働く経験は視野を広げてくれるはずです。
また、海外生活を通して自立心や問題解決能力を養えることも、ワーキングホリデーの大きな魅力と言えます。
その他の目的
海外で友達を作りたい
留学の目的として、「海外で友達を作りたい」と考える人も多いでしょう。
言葉や文化の壁を越えて、世界中に友人を作ることは、人生を豊かにしてくれるはずです。
留学生活では、寮やホームステイ先、学校など、多くの場所で現地の人と交流するチャンスがあります。
積極的にコミュニケーションを取ることで、一生の宝物となるような出会いが待っているかもしれません。
国際的な感覚を身に着けたい
グローバル化が進む現代社会では、国際的な感覚を身につけることがますます重要になってきています。
留学は、異文化に直接触れることができる絶好の機会です。
現地の生活習慣や価値観、ビジネスマナーなどを肌で感じることで、物事を多角的に捉える力を養うことができるでしょう。
視野の広い、グローバル人材としての素養を身につけたいという目的を持つ人にとって、留学はうってつけの選択肢だと言えます。
自分を試したい&自分に自信を持ちたい
慣れ親しんだ日本を離れ、言葉も文化も異なる海外で生活することは、勇気のいることです。
しかし、そんな環境の中で自分の力で問題を解決していく経験は、大きな自信につながるはずです。
留学生活では、学業面でも生活面でも多くの困難が待ち受けているでしょう。
それでも、壁を一つ一つ乗り越えていくことで、自分の可能性に気づくことができるはずです。
「自分を試したい」「自分の新たな一面を発見したい」という目的を持つ人にとって、留学はまさに自分自身への挑戦だと言えるでしょう。
留学目的を考える際のポイント
留学の目的を考える際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
ここでは、留学目的を明確化するためのヒントをご紹介します。
自分に合った目的を設定し、充実した留学生活を送るための参考にしてください。
留学経験によって得られることを考える
留学の目的を考える第一歩は、留学を通して自分が何を得たいのかを明確にすることです。
まずは、留学先での生活をイメージしながら、現地での経験によって得られそうなことを書き出してみましょう。
語学力の向上はもちろんのこと、異文化理解や視野の拡大、コミュニケーション能力の向上など、さまざまな観点から考えてみてください。
自分にとって特に重要だと感じる項目に優先順位をつけていくことで、留学の目的が自然と明確になっていくはずです。
また、日本では得難い経験ができそうなことに注目するのもおすすめです。
留学でしか体験できないことにフォーカスすることで、より具体的な目的を設定しやすくなるでしょう。
少し高めのレベルを設定する
留学の目的を考える際は、少し背伸びをするくらいの高めの目標を設定するのが効果的です。
例えば、語学留学の場合、「TOEICで800点以上取得する」など、具体的な数値目標を設定してみるのも一つの手です。
ただし、現実離れしすぎた目標を立ててしまうと、モチベーションを維持するのが難しくなってしまいます。
自分の語学力や留学期間を踏まえた上で、現実的な目標を立てることが大切です。
理想と現実のバランスを取りながら、自分を成長させてくれる目的を見つけましょう。
具体的な内容にする
「英語力を伸ばしたい」「視野を広げたい」など、抽象的な目的だけでは、留学先での具体的な行動に結びつきにくいものです。
目的をできる限り具体的に落とし込むことで、留学中の学習計画が立てやすくなります。
例えば、「ネイティブスピーカーと日常会話ができるようになる」「日本とは異なる価値観を持つ友人を3人作る」など、行動レベルで目的を設定してみるのも効果的でしょう。
また、「1日30分間の英会話練習を欠かさない」「現地学生のサークルに積極的に参加する」など、目的達成のための行動目標を設定するのもおすすめです。
目的達成後のビジョンを思い描く
留学の目的を考える際は、留学後の自分の姿をイメージすることも大切です。
留学で得た知識やスキルを、将来どのように活かしていきたいのか。
帰国後の進路やキャリアプランと結びつけて、長期的な視点から留学の意義を考えてみましょう。
留学による成長が、将来の夢の実現にどう繋がるのかをイメージできれば、モチベーションを高く保つことができるはずです。
また、留学終了後の具体的なビジョンがあれば、留学先での目的もブレにくくなります。
「将来、英語力を活かして海外営業の仕事に就きたい」など、留学後の目標を意識することで、留学中の学習もより積極的になれるでしょう。
目的を明確にしなかった場合の失敗例
留学をする上で明確な目的を持つことは非常に重要です。
ここでは、目的を持たずに留学し、満足のいく結果を得られなかった失敗例をいくつかご紹介します。
同じ轍を踏まないためにも、留学前に自分の目的をしっかりと見つめ直すことが大切だと言えるでしょう。
目的を決めていなかった例
「とりあえず留学してみよう」という漠然とした考えだけで渡航したA子さん。
語学学校には通っていたものの、特に目標もなく、日々を漫然と過ごしてしまっていました。
勉強にも身が入らず、せっかくの留学生活を有意義に過ごせなかったと後悔しています。
明確な学習目標がないまま留学することは、時間とお金の無駄遣いに繋がりかねません。
目的意識を持って計画的に学ぶことが、充実した留学生活への第一歩だと言えるでしょう。
目的を見失った例
当初は「英語力を伸ばしたい」という目的を持って留学したB郎さん。
しかし、現地の生活が楽しすぎて、いつの間にか語学学習が疎かになってしまいました。
気づけば留学期間が終了。
英語力はそれほど伸びておらず、「留学の目的は一体何だったのか」と自問自答する日々が続いたそうです。
留学中は、常に自分の目的を意識し、それに沿った行動を取ることが大切です。
楽しみも大切ですが、留学の本来の目的を見失わないよう、メリハリを持って生活することが求められます。
目的が明確でなかった例
「とにかく英語が話せるようになりたい」という思いから留学を決意したC子さん。
留学を終えて帰国した今、「英語は少しは話せるようになったが、具体的に何ができるようになったのかよく分からない」と漠然とした達成感を感じているとのこと。
目的が曖昧だったために、自分の成長を実感しにくかったのかもしれません。
「TOEIC800点以上を取得する」など、具体的な目標を設定しておけば、達成度もより明確になったはずです。
抽象的な目的ではなく、数値化された目標を立てることが、留学の成果を実感するために重要だと言えますね。
目的を自分で決めなかった例
周囲の勧めで留学を決めたD郎さん。
本人は留学に対して消極的で、「親に言われたから」「友達が行くから」という他人の意見に流された形で渡航しました。
自分の意思ではなかったため、モチベーションが上がらず、留学生活を満喫することができなかったそうです。
留学は、あくまで自分の意思で決断すべきものです。
他人の意見に惑わされることなく、自分の目的や将来の夢と照らし合わせて、留学の是非を判断することが大切だと言えるでしょう。
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